5市長、意見交換 がれき処理

[朝日新聞デジタル2012/5/29]

震災がれきの受け入れを表明している新潟、長岡、三条、柏崎、新発田の5市長が28日、新潟市内のホテルで「意見交換会」を開いた。泉田裕彦知事ががれきの受け入れに慎重姿勢を崩さず、地元住民から反対意見が出る中、引き続き、受け入れに向けて共同歩調で努力する姿勢を確認した。

 「意見交換会」には環境省の関谷毅史・廃棄物リサイクル対策部広域処理推進チーム長と、中山久雄・元県柏崎刈羽放射線監視センター長が講師に招かれた。関谷氏は広域処理の現状を説明。中山氏は、現状の測定データを記録し、処理後の数値と比較することが重要と指摘し、県との関係について「県は監視というような立場で役割を分担すればどうか。県を巻き込み、住民が納得できる形で話をすべきだ」と語った。

 その後の意見交換で、新潟市の篠田昭市長は「中山さんの指摘で、国や広域自治体にお願いするポイントがわかってきた。安心を実感してもらえるように丁寧に説明したい」と語り、長岡市の森民夫市長も「現状を記録して、比較してこうなったと市民に伝える、との指摘は参考になった」と述べた。

 柏崎市の会田洋市長は「近いうちに地元町内会のみなさんに向けて説明会を開き、7月中に試験焼却を行いたい」との意向を示した。新発田市の二階堂馨市長は「測定の仕方など、5市で共通のデータを作っていこう」と提案した。

 終了後、篠田市長は「知事は受け入れないとは言っていない。専門家の協力を得る必要があるし、実務レベルの意見交換を重ねていくつもりだ」と述べた。

 すでに説明会を始めている三条市の国定勇人市長は「焼却前後のデータをとったうえで、情報公開を進め、市民の不安をふっしょくしたい」と語った。




がれき受け入れ 焼却前の環境測定に重点

[読売新聞2012/5/29]

 東日本大震災で発生したがれきの広域処理をめぐり、岩手県大槌町で出た木質系廃棄物の受け入れを決めた県内5市長が28日、新潟市中央区のホテルで意見交換会を開き、試験焼却前の環境測定を重点的に行うことが必要だとの認識で一致した。

 意見交換会には、新潟、長岡、柏崎、三条、新発田の5市長が参加。専門家の意見を聞くために招かれた、元県柏崎刈羽放射線監視センター長の中山久雄氏は、「がれき受け入れの影響を検証するため、受け入れ前の焼却灰のセシウム濃度がどれくらいなのか、データを蓄積しておいてほしい」と5市長に要望した。

 中山氏の要望を受けて、篠田昭・新潟市長は「試験焼却前に取るべきデータに落ちがないか、5市で足並みをそろえていく必要がある。大槌町のがれきの放射線量についても我々の手で調査したい」と強調。二階堂馨・新発田市長は「事前に確認するデータの地点は5市で共通していた方が良いのではないか。できれば県に示してほしい」と話した。

 また、大槌町のがれきを受け入れることについて、国定勇人・三条市長は「受け入れ前の県内でも、セシウムが検出されているのが現実。具体的な場所が示されたことで、新潟と岩手の環境に大差がないと冷静に比較できるのでは」と指摘した。

 意見交換会の冒頭では、環境省の担当者が、岩手県のがれきは計530万トンと推計され、以前よりも50万トン増えたことを説明し、広域処理への理解を求めた。

(2012年5月29日 読売新聞)